港区立郷土歴史館等複合施設 ゆかしの杜
内田祥三設計で1938年竣工の旧公衆衛生院建物を港区が保存再生し、郷土歴史館等の複合用途に転用して「生きた文化遺産“リビング・ヘリテージ”」として活用する計画です。
外観、内観ともに「内田ゴシック」と呼ばれる創建時の意匠がよく残され、歴史的建造物のオーセンティシティを守りながら、新しい用途の要求性能をいかに満足させるかが重要な課題でした。
設計に先立ち、保存・活用の基本理念と設計における原則を定め、既存部分に手を加える際の新旧の区別や、可逆性への配慮、改修範囲を最小限に抑えるミニマムインターベンションなどの現代の修復理念を適切に取り入れました。
また、完成後の文化財指定とその運用を視野に入れ、部分毎の保存ランクを設定し改変するエリアを確認しながら設計を進めました。施設計画では、コの字型平面形を活かして用途毎に異なる開館時間での運営に応える配置とし、屋内外の段差は、傾斜緩和の外構スロープや段差解消機とエレベーターを新設してバリアフリー化しました。
本計画のような事例は未だ我が国では稀であり、今後の近代建築の保存活用における一つの指標となればと思います。
外観、内観ともに「内田ゴシック」と呼ばれる創建時の意匠がよく残され、歴史的建造物のオーセンティシティを守りながら、新しい用途の要求性能をいかに満足させるかが重要な課題でした。
設計に先立ち、保存・活用の基本理念と設計における原則を定め、既存部分に手を加える際の新旧の区別や、可逆性への配慮、改修範囲を最小限に抑えるミニマムインターベンションなどの現代の修復理念を適切に取り入れました。
また、完成後の文化財指定とその運用を視野に入れ、部分毎の保存ランクを設定し改変するエリアを確認しながら設計を進めました。施設計画では、コの字型平面形を活かして用途毎に異なる開館時間での運営に応える配置とし、屋内外の段差は、傾斜緩和の外構スロープや段差解消機とエレベーターを新設してバリアフリー化しました。
本計画のような事例は未だ我が国では稀であり、今後の近代建築の保存活用における一つの指標となればと思います。
プロジェクト 概要
名称
|
港区立郷土歴史館等複合施設(ゆかしの杜) |
---|---|
建築主 |
港区 |
所在地 |
東京都港区 |
主用途 |
郷土歴史館 がん在宅緩和ケア支援センター 子育て関連施設(学童クラブ 子育てひろば みなと保育サポート等)区民協働スペース等 |
竣工 |
2018年2月 |
延床面積 |
15,155 ㎡ |
構造 |
SRC造、耐震補強 |
階数 |
地上6階 地下1階 |
備考 |
実施設計:大成建設・香山壽夫建築研究所・ジェイアール東日本建築設計事務所(港区立新郷土資料館複合施設整備工事設計共同企業体) |
写真撮影 |
株式会社翠光社 |
受賞歴
2021年 東京建築賞(優秀賞)
2020年 日本建築学会賞(業績)
2020年 第29回BELCA賞ベストリフォーム部門
2019年 第8回 耐震改修優秀建築表彰(国土交通大臣賞 耐震改修優秀建築賞)
2019年 平成30年 照明普及賞
2020年 日本建築学会賞(業績)
2020年 第29回BELCA賞ベストリフォーム部門
2019年 第8回 耐震改修優秀建築表彰(国土交通大臣賞 耐震改修優秀建築賞)
2019年 平成30年 照明普及賞
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