地域の歴史・風土・資源を活かしたZEB庁舎
雲南市役所新庁舎は、「水を囲み、剣を纏う」をデザインコンセプトに、豊かな森と斐伊川の恵み、ヤマタノオロチ伝説やたたら製鉄といった地域の歴史・風土・資源を活かした庁舎です。鋼製剣ルーバーなどによる熱負荷の低減、センターボイドを利用した自然通風・ナイトパージなど自然エネルギーのパッシブ利用、木質チップ・地下水など地産地消の再生可能エネルギー利用の3つを柱とした雲南市型環境建築を実現することで、エネルギー実績でNearly ZEBを達成しています。
鋼製剣ルーバー、ウォータールーバーによる日射制御
ヤマタノオロチ伝説・たたら製鉄の歴史をモチーフにした鉄素材を剣に見立てた鋼製剣ルーバーを採用しています。ルーバーに45°の角度を付け、水平庇と組合せることで、日射遮蔽と眺望を兼ね備えた効果的な日除けになっています。
また吹抜けに面した大きなガラス窓には、雨水を流して、日射制御と水のゆらぎを感じる自然採光の機能を兼ね備えたウォータールーバーを採用しています。ウォータールーバーには、水が流れる視覚的な涼しさと水音による聴覚的な涼しさが感じられます。
センターボイドを利用した自然通風・ナイトパージ
吹抜けを利用して自然通風を促進させ、夏の深夜・春・秋に外気で建物を冷やします。地下水の熱を利用した放射冷暖房パネルとの併用で自然換気の期間を長くできます。
雲南の豊かな森と斐伊川の恵みを活かした熱源・空調システム
雲南の豊かな森と斐伊川の恵みを活かして、今までに無い新しい熱源・空調システムを創造し、庁舎のZEB化に大きく貢献しています。
木質チップと地下水の熱を利用して、夏期の暑くて湿った外気をひんやり乾いた冷風にして、室内に供給しています。
エネルギー実績とZEB評価
開庁後1年間のエネルギー実績は、⽊質チップ、地下⽔、太陽光発電の再⽣可能エネルギーで、年間エネルギー消費量の約27%を賄い、建物全体で 414MJ/㎡・年、ZEB評価の対象外のコンセント分を除くと 274MJ/㎡ ・年で、平成28年省エネルギー基準比 77%削減のNearly ZEBを達成しました。