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「FUTURE think++」 近未来型 中層オフィスのコンセプトモデル

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緑のバルコニーによる、バイオフィリックワークプレイス

FUTURE Think++の具体的アイデアとして、都心の中層オフィスのコンセプトモデルをご紹介します。

1980年代のアメリカで広がったバイオフィリアという考え方があります。「人は本能的に自然との直接的・間接的なつながりを求める」というものです。森林浴で心身が癒されたり、木漏れ日を心地よいと感じるのは、まさにバイオフィリアの作用です。オフィス空間において、緑視率と呼ばれる視界に入る緑の割合を上げることで、ワーカーの心身の健康だけでなく、知的生産性も向上するという傾向が近年の研究で明らかになっています。
次世代ワークプレイスのキーワードである「健康・環境・知的生産性」に通じるバイオフィリアの考え方は、近年ますます重要性を増しています。

自然豊かな郊外での提案である低層オフィスのコンセプトモデルと異なり、都心部でいかにバイオフィリックで心地よい環境を生み出すかが中層オフィスモデルの課題です。
この課題を解決する私たちの提案は、住宅のようにバルコニーを持つオフィスです。専有部へのバルコニー設置と合わせて、共用廊下も屋外化やバルコニー化することで、専有部を挟む2面がバルコニーとなるオフィスモデルを提案しています。緑豊かなバルコニーに面した窓からは心地よい風が吹き抜け、天気の良い日にはバルコニーもワークプレイスの一部となります。

豊かなバルコニー緑化は、室内からの緑視率を高めると同時に、樹木や植栽基盤からの蒸散による空気の冷却効果や日射遮蔽などの環境面においても大きなメリットがあります。
一方、高層部への緑化は、生育上(強風による枯れ等)、維持管理上(水やり、剪定方法等)、安全上(枝の落下等)の課題があります。私たちの提案ではバルコニーと防風(兼日射遮蔽)ルーバーの設置により、課題解決を図っています。

EBWを誘発するアダプティブスペース

低層オフィスのコンセプトモデルで提示した、EBW(Environment Based Working)という新しい概念は、中層オフィスモデルにおいても基本的な考え方となっています。その時のコンディションや好みによって多様な「環境」を選択しながら働けることが、ワーカーの心身の健康や知的生産性の向上につながるという発想です。

提案のポイントは、バルコニーと執務スペースの間に設ける、「アダプティブスペース」と呼ぶ空間です。アダプティブスペースは室内ですが、外の影響を受けて明るさや温かさが常に変化する、外部的な質を持った空間です。時間や場所によって環境のムラがあるため、個人での集中作業というよりは、ワーカー同士のカジュアルな打ち合わせや交流に適した空間です。こうした場で誘発されるワーカー同士のインフォーマルなコミュニケ―ションは、コロナ禍でリモートワークが一般化する中で、より重要性が増しています。

早朝出社してバルコニーの緑に囲まれて朝食、午前中は自席で集中作業、昼はアダプティブスぺ―スでそよ風を感じながら同僚とランチし、午後は自席で作業した後、気分転換に街を見下ろすアダプティブスペースの作業ブースに移動するといったように、バルコニースぺ―ス・アダプティブスペース・安定した室内環境スペースという、時間と共に変化する多様な環境の中で、ワーカーは好きな場所を選びながら働くことができます。

まるで自分の家のようにオフィスを自由に住みこなせるという感覚は、ワーカーの居心地の良さにつながるだけでなく、リモートワークで失われがちな「私のオフィス」という帰属意識を育むことができる考えています。

 

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