中山記念図書館

本プロジェクトは、中山市にある孫文記念公園「興中園」に位置し、「公園の中の図書館」をコンセプトとした計画です。緑豊かな公園と記念性を図書館の機能に結び付け、屋上、大屋根、サンクン、インテリア空間といった建築的要素と、公園が一体化した立体的な緑空間を創出しています。これらの空間は、利用者が緑を鑑賞しながら読書をすることができる癒しの環境を提供しています。

また、中国南方地区の風土と気候を考慮し、伝統的な近代建築である「騎楼」とを参考に、日射や雨をさけながら快適に歩行できるピロティ空間が遍在しています。大屋根が公園を上に持ち上げるだけでなく、その下に3層分の「騎楼」を設け、屋外でも心地よくいられる空間を形成しています。さらに、外壁やインテリアでは、地元の素材であるグレー調の石やレンガを採用し、伝統文化への敬意を表しながら落ち着きのある雰囲気を演出しています。