新しいものをつくることがとても面白いです。
井上 信次郎
今はどのような仕事に携わっていますか?
新人時代に担当した100㎡程度のインテリア設計から始まり、小さな水族館、高校や大学の校舎、本社ビル改修、オフィス、都市開発と多様なスケールの計画に携わってきました。今は、地方の本社ビルの計画に取り組んでおり、地方ならではの伸びやかさを持った、まるで自然の中で働いているかのような低層オフィスを目指して設計しています。「コロナ以降の新しい働き方はどうなっていくだろう?」と設計チームやクライアントだけでなく様々な人と意見交換をしながら、日々考えています。
仕事のやりがいはどういうところにありますか?
建築設計の業務範囲は多岐に渡り、様々な工種・分野の専門家と協働して進めていきます。それぞれの分野で活躍している方々に知見を共有してもらいながら、プロジェクトに合った新しいものをつくることがとても面白いです。
例えばカーテンウォールと呼ばれるビルの外壁は、設計者と専門メーカーが協働して一品生産でつくられ、それが外観や性能のオリジナリティにつながります。以前担当したプロジェクトではガラス3枚に和紙をサンドウィッチした光壁をデザインしましたが、手で漉いていく和紙がどのように出来ていくかを富山の山奥のアトリエで泊りがけで教えてもらいながら一緒にデザインを発想していきました。そういった協働でオリジナリティを生み出すこともやりがいのひとつです。
仕事の中で大切にしていることはなんですか?
目標を掲げ、そのビジョンをチームあるいはクライアントと共有して設計を進めていくことです。建物が出来上がるまでに大小たくさんの判断をして進めていきますが、そのビジョンがしっかり共有できていれば、それぞれの意志が自然と同じ方向へ向かっていくからです。プロジェクトごとに様々な方と関わって設計に取り組みますが、プロジェクトの最初からいつもうまく進んでいくわけではありません。意見を交換し、それぞれの経験を共有していくうちに、チーム内に阿吽の呼吸のようなものが生まれ始めます。それはとてもうまくいっている証拠であり、そんなとき私も充実感を得られます。
若手スタッフに求めることはどのようなことですか?
元気で明るいこと。真摯に取り組むこと。遠慮せず自分の考えを表現することが大切だと思っています。