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2021.11.02
新砂プラザリニューアル

竣工後四半世紀を超え継承した価値を未来へ

新砂プラザは、日本設計の設計監理により1993年に竣工しました。以来、適切な保全計画に基づき、建物の美観や性能が良質に維持され続けてきました。私たちは計画の立案や修繕に主体的に関わり、クライアントと価値を共有しながら、建物とともに歩み続けてきました。
2020年7月に完了した大規模改修は、四半世紀に及ぶ建物保全の集大成といえます。改修内容は、オフィスの価値向上と環境負荷低減、災害時の事業継続性を確保するBCP対応、長周期地震動に対する安全性を高める制振補強の3本からなります。加えて新築当初からの設計思想をよく理解し継承することで、既存ストックの活用に留まらず、機能・品質・安全性の更なる向上と長寿命化を達成しました。改修にあたり、原設計の特性である主要機能を2階以上に集約した浸水対策、メンテナンスや将来的な機能更新に配慮したゆとりのある設備スペースなどが大いに役立ち、築き上げてきた価値を継承した、次世代への新たな価値創造に繋げました。

オフィスビルの価値向上と環境負荷の低減

多様化・高度化するテナントニーズへのオフィスの価値を高めるための建築・設備の全面改修を行いました。
基準階オフィスでは中廊下を撤去して一室化し、室内レイアウトの自由度向上、採光・眺望などによる室内環境の向上を達成しました。共用部では、トイレ・リフレッシュコーナーなどアメニティ機能の充実化、デザインのアップデートを実施しました。
新築当初より、地下空間を活用した3,000㎥の蓄熱水槽、敷地内緑化や空中庭園など、環境負荷低減につながる自然と融合したオフィスに向けた先進的な試みがなされていました。今回の改修もその設計思想を継承し、全館照明LED化、高効率空調機や節水型衛生器具への更新による省エネ化・節水化、フリーアクセスフロアの補修による再利用等、更なる環境負荷低減とともに、設備機器の更新履歴も考慮したライフサイクルコストの視点に立つ経済性に留意しました。インテリアデザインもそうした当初の設計思想を継承し、緑豊かな環境をテーマとしたコンセプト、環境配慮仕上材の採用など、新たな価値を生み出しています。

浸水対策されたオフィスのさらなるBCP強化

新規テナント候補が入居条件として提示した、災害時の長時間電力供給に対応するためのBCP対応工事も行いました。
原設計では、東京湾堤防の決壊による浸水を想定し主要な設備室を2階以上に配置する万全の対策がとられていましたが、さらなるBCP強化として、オフィスエリアや防災設備への72時間の電力供給を実現しています。
維持管理の容易さも考慮し、非常用発電機(1000KVA×1基、625KVA×1基)を浸水深さより上部の2階レベルに新設しました。地上レベルへの設置となる燃料移送ポンプについては、浸水機能を有する製品を採用しBCP運用の確実性を担保しました。
敷地に制限がある都心部のオフィスビルではオイルタンクの地中埋設が困難になりがちですが、原設計のゆとりある配置計画により、オイルタンク(30,000L×2基=60,000L)を屋外駐車場の地中に埋設することができました。

制振改修による耐震安全性の確保

日本の都市部に多い100m級の超高層ビルの耐震改修は、ビル単体の耐震グレードの向上だけでなく、都市防災機能の強化につながる社会的テーマですが、工事費や改修後の美観など課題も多いのが実情です。
新砂プラザでは、制振効果の高い同調粘性マスダンパーの採用により既存躯体の補強箇所を減らし、工期短縮と工事費低減を図りました。
また制振部材と置型空調機をペリメーターゾーンに一体的かつコンパクトに納めることで、メンテナンス性を確保するとともに、既存部の改修範囲を縮小してオフィススペースへの影響を最小限としました。
空間と調和した構造デザインの実現を目指し、オフィス内に現れる制振部材の周辺架構はスレンダーなV字型ブレース(φ152.4)とし、美観と外部への眺望も確保しています。

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