ベトナム国ナショナルスペースセンター（Vietnam National Space Center）

「Orbit Island」「Keep Revolving」というデザインコンセプトのもと、宇宙開発を象徴する「軌道」、「回転」といったキーワードを取り入れた施設群です。日本の円借款事業の一環として、ハノイ市郊外のハイテク工業団地内に、三方を水路に囲まれた島状の敷地に建設されました。総面積約26,000㎡にわたる19棟で構成され、気象探査用人工衛星の運用、研究開発、人材育成など、多岐にわたる機能を持つ施設が、楕円形のランドスケープによって有機的に結びつけられています。

各施設は、宇宙を想起する曲線、逆バンク、鋭角、楕円などの形状や、アルミ、ガラスといった素材を採用しており、設計当時、材料や工法が限られていたベトナムにおいてもコンセプトを反映した統一感のあるデザインを実現しました。
さらに、災害時にも支障なく運用できることに加え、持続可能性を考慮して、太陽光発電、壁面緑化、Low-Eガラスといった環境技術を採用し、将来の拡張や自然エネルギーの活用にも柔軟に対応できる施設群となっています。