メニュー
  • EN
  • 簡体
  • 繁体
Youtube Instagram
  1. HOME
  2. THINK
  3. 都市の森の恵みをいただく 「赤坂インターシティAIR」のおすそ分け会
2023.03.22
赤坂インターシティAIR

都市の森の恵みをいただく 「赤坂インターシティAIR」のおすそ分け会

緑のために場所をゆずる

超高層複合ビルの「赤坂インターシティAIR」(東京都港区)は、都内屈指のオフィス街・繫華街にありながら、あふれるばかりの緑を生み出しています。
「働く人・住む人・訪れる人誰もが居心地よく過ごせる街」をコンセプトに、2017年に竣工しました。虎ノ門エリアと隣接する赤坂をはじめ他の開発地域との連携を大切に、「緑のネットワーク」を核とした新たな都市・ランドスケープデザインです。
従来の建築計画では、敷地内で最も効率的な場所に建物を配置することが一般的です。しかし本プロジェクトでは緑を最大限に生かすことを重要視し、超高層建築を可能な限り西側に寄せて配置するという大胆な選択をしました。その結果、緑化率50%にあたる5,000㎡超の緑を生み出すことができました。植物の種類の豊富さも特徴の一つ。地域の在来種を基本として、水辺や地形など環境条件にそって選んだ200種類もの植物があります。鳥が運んでくる種によって、竣工当時より植物の種類は増えています。


2017年の竣工当時の庭園の様子。写真:川澄・小林研二写真事務所(左)。竣工から5年後の2022年6月に撮影した、赤坂インターシティAIRの庭園の様子。木々が生い茂り、「森」が育っています。 写真:川澄・小林研二写真事務所(右)

自然に倣った剪定で森を育む

広大な緑地は、「森林」の風景に近づける工夫も施されています。ビルにおける一般的な造園手法では、規格化・整形された樹木をそのまま配置します。成長するにつれて、主要な枝の多くが干渉してくるので、枝を長く切り取る「強剪定」によって抑えます。その結果、画一的な風景につながることがあります。
一方、赤坂インターシティAIRでは、自然に倣った植栽配置と維持管理に取り組んでいます。剪定は、枝を切り詰めるのではなく、植栽後の樹木の生育状態や枝葉の茂り方など、全体のバランスを見ながら適時行います。それとともに、植物の成長と変化を見越して剪定することで、抑制されない植物本来の生き生きとした自然の調和あふれる風景が生まれるのです。
私たち は、竣工当時から緑地の管理監修をつとめ、その業務の一環として、剪定にも立ち会っています。剪定は、多い時期(夏)では月2、3回、少ない時期(冬)でも1か月に1回は行っています。赤坂インターシティAIRのランドスケープを設計し、この「森」の生みの親であるランドスケープデザイン・都市基盤設計部ランドスケープ設計第2グループ長の山崎暢久 が竣工時から剪定に立ち合い、敷地内を歩きながら隣り合う木との調和や、全体的のバランスを考えながら、どの枝をどう切るか決めていきます。


植物の成長具合を観察して、どの枝を剪定するか一本一本見極めます。中央がランドスケープデザイン・都市基盤設計部の山崎暢久。


山崎暢久

剪定枝をブーケにして「おすそ分け」

通常、そのまま捨てられてしまうことの多い剪定枝。しかし赤坂インターシティAIRでは、地域住民や施設内で働く方々に楽しんでもらおうと、2021年秋から月に1回、剪定枝の「おすそ分け」を開催しています。十数種類の剪定枝が花瓶に飾られ、来た人が自由に手に取り、ブーケなどにして持ち帰ることができます。私たちは運営のサポートも行い、ブーケを作ったり、訪れた人に植物の説明を行ったりしています。この「おすそ分け」は好評で、毎月足を運んでくださる方もおり、毎回ほとんどすべての剪定枝がなくなるそうです。「お花屋さんではなかなか置いていないような、曲がった枝も喜んで持って帰ってくださいます」(山崎)
多種多様な植物を適切に配置するとともに、きめ細やかな剪定を続けていることで、赤坂インターシティAIRの森は季節の移ろいだけではなく、年単位での変化を楽しむことができるのです。
創立当初より建築と自然との調和をテーマに活動する私たちは、これからも都市における緑を生み出し、心地の良い空間づくりに取り組んでいきます。

「おすそ分け」は毎月第2水曜日に開催しています。
詳しい内容は、赤坂インターシティAIRのHPをご覧ください。
https://www.intercity-air.com/newsevent/


ガーデンマップとその日の剪定枝の種類がわかるパネルを設置し、赤坂インターシティAIRの植物に関心を持ってもらうきっかけを作っています。お昼休みの時間になると、オフィスで働く方もたくさん訪れます。


剪定枝でできたブーケ。


ブーケを作るランドスケープデザイン・都市基板設計部の大友寛悟(左)。剪定された木を花瓶に入れる同部の谷本実有(右)。

page top