高低差を生かした都市デザインとランドスケープの融合
基本計画からの一貫したビジョンで完成したセントラルウォーク
計画地は地下鉄駅周辺から森JPタワーに至るまで最大約16mの高低差があります。地形の起伏を生かし、機能的・デザイン的にスムーズにつなぎ、歩いていくことに価値を持たせる空間をデザインすることが、重要な課題の一つでした。計画地東側には東京メトロ日比谷線神谷町駅、西側には南北線六本木一丁目駅が位置しています。これら東西両駅をつなぐ「セントラルウォーク」を軸に、計画地の高低差を利用し、各施設へのアプローチを立体的に計画。
歩行者空間が商業施設などと連携した変化に富んだ街並みを形づくり、低層部が一体的で、緑が連続する豊かな空間を創出しました。
このような大規模な開発では、完成を見据えた都市と建築を一体的につなぐ計画、それを初期段階の設計内容に落し込むことが重要です。私たちは基本計画の段階から森ビルと協働で、都市計画と建築設計の両輪で全街区の設計を進め、計画の基盤を固めました。地形の起伏を生かしながら快適な歩行者空間を実現するために、初期段階で各棟低層部の複雑なレベルを設定。事例調査や模型による空間確認などを入念に行い、計画の具現化につなげていきました。
谷戸地形を生かしたランドスケープデザイン
麻布台ヒルズは、約6,000㎡の中央広場をはじめ、豊かな緑に包まれています。ここは、高台と谷にまたがる変化にとんだ谷戸地形で、江戸時代には「我善坊谷」とも呼ばれていました。
クライアントと私たちは、土地の記憶を継承し、起伏のある地形を生かすとともに、人と自然が共生する持続可能なまちを目指しました。緑地は、複数のレベルで立体的につながっており、各エリアでは表情の異なる水の演出が施されています。計画地を縦断するせせらぎを形成し、森JPタワー北側地下1階オフィスロビーに面した水辺は、内外が一体感のある静謐な雰囲気を演出し、中央広場が際立つように計画しています。
また、在来植生を主体に、計画地全体を通して雑木林や草地、水辺、果樹園・菜園といった、都心ではあまり見られない里山のような風景を再現していることも特徴の一つです。人々とともに鳥や虫といった生き物が住まう豊かな環境を創り出しています。生物多様性の観点からも、麻布台ヒルズは隣接するアークヒルズ 仙石山森タワーなど既存の緑とのつながりを重視しており、麻布台ヒルズの完成は周辺地域との緑のネットワークをさらに広げました。







