ケーススタディー

日本橋室町東地区開発計画

新たな時代の息吹を感じさせながらも、江戸文化が薫る歴史も残していく

日本設計では、日本橋一丁目ビルディング、日本橋三井タワーを皮切りに、長年に渡り日本橋の再生に携わってきました。
日本橋未来図の中心にある「日本橋室町東地区開発計画(室町東三井ビルディング/室町古河三井ビルディング/室町ちばぎん三井ビルディング/福徳の森)」では、日本橋の歴史性を踏襲しつつ複数の街区に面的なつながりを持たせるという、既存の街と連携を目指しています。

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中央通り、100 尺(約31m)のスカイラインを意識した統一感のある景観(撮影/川澄・小林研二写真事務所)

「通り」の魅力に合わせた、景観と街並みづくり

大通りである「中央通り」の街並みは、重要文化財である三井本館をはじめとする歴史ある景観との統一感を目指しています。27mの表情線と6m近辺のアイレベルの表情線を中央通りの両側に連続させ、都内でも類を見ない景観を創出。それは、ロンドン中心部にあるリージェント・ストリートを思わせます。6mスパンの列柱を連続させた低層部は、重厚感を持たせながらも、通りの賑わいを染み出させる仕掛けとして工夫が凝らされています。
「中央通り」と交差する「江戸桜通り」は重要文化財である日本銀行、日本橋三越本店からつながる景観と桜並木を連携して整備しています。街角を辻ととらえ、通りの双方の建物によるゲート性を強調させることで、「中央通り」からの人の流れを既存の街に誘導することを意図しています。
路地性を持つ「仲通り」は、縦格子をモチーフとしたデザインにより、既存の老舗街に呼応させるべく、軒高さ2.5mの庇や灯篭を思わせる照明を連続させ、京都の街並みを思わせるヒューマンなスケール感を創出。
区道は都電の敷石を織り交ぜた石畳とするなど、訪れる人々の賑わいと地域の表情が自然と重なり合う風景を創り出しています。

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配置図 兼 1階平面図

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福徳神社と老舗街をつなぐ仲通り。足元を行燈照明が照らす(撮影/川澄・小林研二写真事務所)

人々の賑わいをつなぐネットワークの創出

各街区には、地上と地下ともに、建物を貫く貫通通路が随所に設けられています。それにより、新たな人の流れを生み出し、後背地へネットワークをつなげていく計画としています。
各建物の1階には、商業施設の中央に「中央通り」と「仲通り」を結ぶ貫通通路を設け、人の流れを活性化させます。
地下1階には、国道と区道の地下に地下歩道と広場を構築。それらを建物と連結させることで、人々が行き交う空間が地下鉄銀座線「三越前駅」から周辺地区へと連続する計画となっています。地下鉄のコンコースからは、建物の貫通通路とともに、奥行きが感じられ、商業施設の面した活気のある地下ネットワークを構築しています。
地下広場は、中央区の地下歩道として整備し、各種のイベントの開催を想定するとともに、防災設備は建築基準法に準拠した装備を施しています。地下鉄駅の駅前広場の機能を有するとともに、地区のイベント広場として、災害時には地域の一時滞在施設として、今後あらゆる可能性を秘めた広場となるはずです。
地下駐車場は、各建物間で接続し車両出入口を1か所に集約することで、地上部の歩車分離がなされ、歩行者中心の路地空間を成立させています。

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地下1階平面

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商業施設に面した活気ある地下ネットワーク。地下鉄駅改札に直結している(撮影/川澄・小林研二写真事務所)